ニューヨークジャピオン 別冊 『ニューヨークに住む』に記事を載せて頂きました。

 

『スポーツ医学で支える世界舞台』

 

なかなかのタイトルまで付けていただきました。

文章はこちらに載せておきますが、実際にサイトからダウンロード可能です。

いろいろ役立つ情報も載っているので、お時間のある方はついでにダウンロードしてみてください。

 

 

普段はマンハッタンのクリニックで、一般の人の腰痛から、趣味で運動をする人のけがまで、

身近な痛みの改善と向き合う仲野広倫先生だが、ここ数年追究してきたのがスポーツ医学だ。

現在はスポーツカイロプラクターとして知られるようになり、多くのトップレベルのアスリートを治療している。「最初からスポーツ医学を目指したわけではないのですが、最良の治療を模索し、勉強や研修を重ねた結果、たどり着いたのがスポーツ医学でした」と仲野先生は話す。

米国五輪医療チームに参加この夏、4年に1度の大陸別オリンピック「パンアメリカン・ゲーム2019」がペルーのリマで開かれ、仲野先生は米国五輪委員会(USOC)医療チームの一員として参加してきた。

10人ほどの医療チームには、家庭医から整形外科、認定アスレチックトレーナー(ATC)と、各分野の専門家がそろう。今回カイロプラクターは、仲野先生を含めて3人だった。

医療従事者が五輪代表チームに帯同するには二つのルートがある。各チーム(種目)の専属医療チームに入るか、USOCの米国代表医療チームに選ばれるかだ。

いうまでもなく、後者は相当な狭き門となる。カイロプラクターの場合、DC(Doctor of Chiropractic)という国家資格の上に、二つのスポーツ認定資格が必要になる。

それらを全て持つカイロプラクターは全米にわずか300人前後。

その中でもさらに実績が認められた者だけに、USOCから召喚がかかり、さらなる審査の上で最終的に決まるという。

世界最高峰のスポーツ医療USOC医療チームの現地での仕事は、米国選手がけがをしたときの診断と治療、そして競技を継続できるかの判断だ。

「いつもと違うのは、僕の横には世界最高峰レベルの医師陣がいること。そうした人たちと相談しながら診断し、判断を下すことができる」と仲野先生は話す。

相当な刺激になると同時に、「自分の診断や治療法が、彼らから認められるレベルであることが実感できた」とも。

今回、仲野先生はUSOCの現地クリニックでの診療の他に、ビーチバレーボールの試合
で米国代表チームをケアした。担当したのは「サイドライン」といわれる役割で、試合中に
選手のそばに待機し、選手がけがをすればその場で診断。必要に応じて、カイロプラクタ
ーの専門である手技による治療を施し、テーピングも行う。

「参加41カ国が39種目を競う大会でしたが、アメリカは大国なので、私が引率したビーチバレーボールを含め、金メダルもたくさん獲得しました。すると、その場でドーピング検査
が行われるのですが、そうした時は自国の選手を守るために検査に付き添います。

検査プロセスを監督し、公正に行われていることを確認するのも、我々医療チームの仕事です」来年は東京五輪。

「(USOC医療チームの一員として)参加したいですね」と仲野先生は目を輝かせる。

 

体の機能性向上クラス

とはいえ、五輪活動は仲野先生にとっても非日常だ。

クリニックには日々いろいろな人が、いろいろな症状を訴えて訪れる。
「僕がスポーツ医学を通して学んだことは、一般の人やウイークエンドウォリアーのケアにこそ役立ちます。

けがのメカニズムは、その人の機能性の範囲を超えたときに起きるという点で、トップアスリートも一般の人も同じなんです」と仲野先生は言う。

「一般の人の場合、物を持ち上げたり、階段を上ったりといったことが年を取っても難なくできるためにも、体の機能性を保つことがカギ」というのが仲野先生の信条でもある。

そのテーマで著書も2冊出版した。

現在クリニックでは、機能性向上のためのクラスを設け、老若男女に広く参加を呼び掛けている。体の安全な使い方を学び、自分でトレーニングできるように指導するクラスだ。

「年齢は関係ありません。何回コースという縛りもないので、気軽に参加してもらって、みんなが元気に生活できるよう、僕の知識と経験をシェアしたいです」と仲野先生は話している。