はじめての方へ

当院は、症状を根本から治すことを目指しているため、可能な限り薬や注射、手術に頼らない診療を行います。ただし、「可能性・疑い」といった曖昧な判定を避けるため、診断は医学的に行う(※)ので、症状によってはレントゲン、MRI、血液検査なども用いることもあります。また、これらの診断結果次第では、他の医療機関と連携して診療にあたることもあります。
治療効果が出るまでの期間は、患者様の年齢、栄養状態、職業、生活習慣によって異なりますが、一般的な筋肉骨格系の症状であれば、4〜6回の通院で症状改善が期待できます。
※日本では法律上、私どものような医療機関は存在しませんが、アメリカではカイロプラクティック医師免許を取得すれば、日本の医師と同様の検査・診断・治療が可能です。
検査、診断の大切さ
当院が診療の際に大切にしていることが、2つあります。

これは当院に限ったことではなく、よく聞く話です。そのような事態が起こる背景には、日本の独特な医療体系が関係しています。日本では、整体、接骨 院、鍼灸、カイロ、マッサージなどの民間医療が盛んですが、こうした場では、「診断」はできません。医学的な診断は、医療機関でのみ可能だからです。
もちろん可能性・疑いといったレベルで曖昧な答えを出すことはできますが、適確な診断は、アメリカでも日本でもドクター/医師にしかできません。
「骨盤が曲がっている」「背骨がズレている」「姿勢が悪い」「筋肉が張っている」は原因の一つかもしれませんが、診断とは違います。「筋肉の張り」「運動不足」「体が硬い」「座り方が悪い」なども診断ではありません。
20年間腰痛を患っているにも関わらず、レントゲン1枚撮ったことのない患者様が来院されることもありますが、これは恐ろしいことです。病気を治す 第一歩は、「骨盤が曲がっている」などの曖昧な解説には意味がないことを知り、正確な診断を受け、ご自身の症状名を知ることです。
診断は当院でも他院でも、医師の診察を受ければ基本的にはそこで確定します。もし医師の説明が曖昧だったり、分からないところがあったりするようでしたら、必ず突っ込んで聞いてみて下さい。まずはご自身が、「何という症状の診断を受けたか」をしっかり把握することが大切です。
診断=症状名が分かったら次に必要なステップは、「なぜその症状が起こったのか?」というメカニズムを知ることです。
『半月板損傷』『椎間板ヘルニア』『変形性脊椎症』、これらは有名な診断名ですが、もしMRIによりこのような診断がされたとしても、診断名が体の構造上の変形を意味するだけで、現在の症状とは関係ない場合もあります。
また、上記のような診断をされても対処法が、手術、薬、注射しかないわけではありません。症状が引き起こされた原因を体の機能性から分析すれば、別のアプローチで処置を行えることもあります。
当院では、正しく症状を把握し診断するために、体の機能性から分析する『機能運動医学®』(※)による診療を実践しています。機能運動医学を用いることで、今抱えている症状の原因がどこにあるか探れるからです。
※『機能運動医学®』とは……当院が商標を取得した医学療法。不調の原因が体のどこにあるのかを分析するために、筋肉、骨、脳神経を始めとする体の機能(動き、支え、強さ、バランス、筋力など)全体から症状を診断し、診療を行う。
多くの方が困っていらっしゃる『腰痛』を例に考えてみましょう。ほとんどの場合腰痛は、体の機能障害(筋力の低下、関節のズレ、筋肉の癒着など)によって引き起こされます。そして意外に思われるかもしれませんが、腰痛の原因は腰そのものよりも、隣の関節である股関節を始めとする、他の部分の機能障害が大半です。
これは、股関節の筋肉が癒着する、関節が硬くなる、背骨の動きにくさ、腰を支える力がない……といったトラブルが、腰痛を引き起こしているからです。
当院では痛みを起こしている部位(腰)だけではなく、他に腰の故障を引き起こす本当の原因を見極めるために、体全体の機能性や運動性を検査・診断し、診療しています。こうすることで、『痛みの部位そのもの』だけではなく、根本的な『痛みの原因』を診療できるからです。
筋肉が癒着していればその部位の癒着を治療し、背骨の動きに問題があればそれを治療する。筋力が低下していれば、それを補うトレーニングを行う。このように患者様一人ひとりの機能運動性の問題点を把握し、診療していくのが当院の特徴です。
腰痛に限らず、膝の痛みに関しても同様です。膝は、腰痛以上に股関節、足首などの隣の関節、背骨の動きに問題が隠れており、ほぼ100%、他の部位に原因があると言っても過言ではありません。もちろん膝に損傷があることは間違いありませんが、その痛みを起こす本当の原因はほとんど他にあります。それを調べるために、足を支える筋肉、股関節、背骨の動き、時には首の動きまでを確認し、本当の原因を見つけ出し診療にあたっていきます。
そして一時的に痛みを解消するだけでなく、将来的なケガの予防にもつなげていくことが、我々の目指すところです。
治療

当院ではスポーツカイロプラクティックの理論を、診療の基礎として取り入れています。スポーツカイロプラクティックは、アスリートはもちろんのこと、一般の方の筋肉骨格系の症状にも活用される診療方法です。
多くの整形外科や一般的な病院では、筋肉骨格系の症状に対し、まずレントゲン、MRIで診断します。その結果手術の必要がなければ、投薬、注射、電気治療、経過観察などで対処していきますが、残念ながらこうした診療方法では、筋肉骨格系症状に対する治療成績は低く、長期的な改善は望めません。
一方、スポーツカイロプラクティックを中心にする手技治療・運動療法は、腰痛などの筋肉骨格系の症状に対し、短期および長期的な診療効果、費用対効果、副作用の少なさなど、あらゆる面で効果的であることが、多数の文献にて証明されています。
当院の仲野広倫院長は、アメリカのオリンピック施設を取り仕切るトップのスポーツカイロプラクティック医の元で、カイロプラクティック認定スポーツ医の資格を取得しました。現在も、現役オリンピック選手などのトップアスリートも診療しています。そのため日々の診療で患者様にご提供している技術や知識は全て、オリンピック選手に施されているものと同じです。
また急速に進化するアメリカの最新医療技術に対応し、トップクラスの診療をご提供し続けるため、院長自ら同スポーツカイロプラクティック医が主宰するセミナーに積極的に参加し、最新情報の収集に務めています。
このように当院では、アメリカの最新医療技術と、日本で長年受け継がれてきた仲野整體独自のフィロソフィーを組み合わせた独自の診療を特長としています。
治療の安全性
医療には多くのベネフィットがありますが、一方でリスクや副作用が伴うことも忘れてはいけません。
例えば一般的に使われることの多いアスピリンやタイレノールといった市販薬も長期的に服用すれば、致命的な副作用を起こすことがあります。高血圧、胃薬、糖尿病の薬など、病院や薬局で処方される薬も同じです。薬に限らず、腰痛や股関節を治療するための注射、手術などもそうです。副作用や弊害が100%起こらない医療は、残念ながら存在しません。
カイロプラクティックも同様に、副作用や事故が起きる可能性は少なからずあります。実際、頚椎の矯正に伴う事故など、毎年さまざまなケースが報告されています。しかし事故の発症率は、一般的な投薬や手術などとは比較にならないほどの低さで、副作用に関しても、手を使った診療特有の翌日のだるさなど、物理的な刺激によるものが大半です。
一つ分かりやすい例をご紹介しましょう。アメリカの医師はほぼ全員、医療過誤の保険に入ります。一般的な医師の掛け金は、100 万円からと言われているのに対し、カイロプラクティック医師は、年間10万円から30万円程度で加入できます。この値段の差だけでも、どちらが医療ミスなどによる深刻な訴訟問題が起きやすいかお分かりいただけるでしょう。保険会社が、リスクの高い人の掛け金を高くするのは当然のことです。カイロプラクティックにもリスクがあるとは言え一般的な医療と比べると、そのリスクははるかに低いと言えます。
繰り返しになりますが、もちろんすべての医療において事故や副作用のリスクは必ず存在します。しかしそれをできるだけ減らすために、プロは日々努力と研究を繰り返しているのです。
非常に恐ろしいことですが、日本の整体・カイロプラクティック医と名乗る方の中には、適切な医学教育を受けないまま人体に施術を行う方がいます。カイロプラクティックにおける事故の多くは、こうした医学教育の乏しい方による手技治療事故が大半です。
症状コントロール
筋肉骨格系症状のほとんどは、日頃の生活習慣が原因で起こった体の機能性の衰えによるものです。そのため、まずは患者様ご自身の生活の中に「問題」が潜んでいることを、医学的な診断結果と合わせて理解することが大切です。
当院が実践している『機能運動医学®』は、症状の原因が体のどこにあるのか、また日頃の生活習慣のどこにあるのか、それを分析・診断していくものです。
正しい診断ができれば治療法も決まるので、その後の治療で症状が緩和されれば、後はご自身で症状をコントロールすることもできます。大事なのは、問題を作っている原因を「自覚」することです。
症状をコントロールするには、日々の運動や自宅でできる機能運動性向上のエクササイズ、生活習慣の改善が効果的です。当院では診療の際に、自宅で行えるセルフケア指導を行っています。診療で改善された痛みや症状を再発させないためにも、自宅ケアをしっかり継続してみてください、
診療を終えてから一ヶ月経っても症状が再発せず、その間日々の自宅エクササイズや運動、生活習慣の改善などのセルフケアが継続できていれば、「一安心の時期」と言えますが、やはりいくら気をつけていても生活を送る中で、多少の機能障害を引き起こすことはあり得ます。
そのため当院では完全に診療を終えてしまうのではなく、定期的に通院し、楽器のようにご自身の体を「チューニング」していただくことをお薦めしています。もちろんご自身のセルフケアのみでも症状をコントロールすることは可能なので、診療を終えられた患者様には将来的な健康に向けて、当院で習ったエクササイズや生活習慣の見直し等を続けていただきたいと思います。