Q、ニューヨーク、アメリカ人にもギックリ腰はあるのか?
A、もちろんあります!!
これを調べている方はおそらく、ぎっくり腰になってしまった人、またはその周りの家族や友人では無いでしょうか?
さらに医療機関に行かずに、アメリカ、ニューヨークの高い医療費に恐れを感じ何とか自力で復活方法を探している方。
大変だったことと存じ上げます。
近くの方、私を知る方などくりにっくに来院されれば全力で拝見いたしますが、ほとんどの方はニューヨーク近郊にはお住まいではないと思います。
ですので、アメリカ、ニューヨーク在住ではない方や日本の方も少しでもお役に立てばと思って書きました。
ニューヨークは遠いからと思わずに是非読んでみてください。
アメリカ、ニューヨークならではの日本とは違った最新の考えがわかるかもしれません。
Q、ぎっくり腰ってなに?
A ぎっくり腰とは 急性の腰痛。つまり急激に腰が痛くなること。医学的ではない俗称。
ギックリ腰とは『腰痛』つまり腰が痛いこと、さらに急にこれになった時に使う表現です。
つまり急に腰のあたりが痛くなり、動くと痛いような状態がこのギックリ腰ですね。
日本人だけでなく、アメリカ人でもニューヨークの人でも誰にでも起こります。
しかしこのぎっくり腰、医学的な診断では無いので私を含むプロは使わない表現です。
急に痛くなるの定義も個人の感覚ですし、明確な基準もありません。
痛さも『立てなければぎっくり腰』『歩けなければぎっくり腰』『動けなければぎっくり腰』
などなどは全く関係ありません。急に痛くなってその症状を『ぎっくり腰』と思ったらぎっくり腰でしょう。
特に『ぎっくり』とか『バキッ』とか音がするなどのルールもありません。
突然重いものを持って瞬間的に痛める事があれば、徐々に痛めることもあります。
違和感を感じた後に徐々に悪化して動けなくなることもありますし、違和感とほぼ同時に動けなくなることもあります。
どの様にして痛みが出たかは診療の参考にはなりますが、それだけで何が悪いとか、故障した、診断などはわかりません。
そもそも『ぎっくり腰』なんて医学的な言葉ではないのでプロは使わないんです。
一瞬で痛みがでる、でない、音が聞こえた、聞こえない、筋肉が痛い、骨が痛い、などは関係なく、昨日は痛くなかった腰が急に痛くなる状況を指して『ぎっくり腰』と言われます。
Q、ぎっくり腰は英語で何って言うの?ニューヨークにもぎっくり腰ってある?
また英語で辞書を調べるとSlipped discとか出てきますが、こんな表現はまず使いません。普通はAcute Back Pain つまり『急性の腰痛』と表現されます。
英語では『魔女の一撃』と言われるとか昔は聞きましたが、アメリカではそんな表現は聞いたことがありません。
きっと辞書には載っているのでしょう(笑)。
アメリカ英語ではぎっくり腰『Acute Back Pain』と言います。
ぎっくり腰はあくまでも俗称なので医学的な診断名(故障の箇所に医学的に名前をつけること)ではありません。
A、ぎっくり腰の英語は ”Acute Back Pain” が一般的。
英語では”Back Pain” は一般的に使われる言葉です。
日本語では腰痛に近い感覚です。
もう少し腰に特化するとこれが『低い背中』つまりは『腰』なので”Lower Back Pain” となります。
背中も腰も同じ筋肉で解剖学的にも隣なので納得ですね。なので『背中の痛みと腰痛』は似ている言葉です。
しかしこれを日本語にすると『ぎっくり背中』何て言葉もつくれてしまいますし、『ぎっくり首』もありかもしれません。
しかし『こんな名前には全く意味がない』ことは覚えておきましょう。
日本語のニュアンスでは『ぎっくり』をつけると『急性の痛み』に変化させる事ができるのだと思います。
また名前から『ぎっくり』と音が聞こえそうですが、そんなことはあまり関係ありません。
Q、ぎっくり腰は診断ではない!!どうすればいいの?
A. 落ち着いて、しばらく普通に生活する。
痛くてお困りの対してふざけた答えですが、正直な答えなんです。
もちろん医療機関を受診されることが一番です。
しかし、このブログを読んいるってことは恐らく医療機関に掛かりたくない、自分で対処したいなどの理由があるかと思います。
医師の診断を受けずに何とかしたいのであれば『何もしないこと』が確実でしょう。
ニューヨークでも日本でも医療機関を受診されれば、私たちは様々な検査を通じて
椎間板の損傷、筋肉損傷、骨の損傷、神経の損傷、圧迫、靭帯損傷などなど、解剖学的に故障する部位は全て故障の可能性を考えて診断を探します。
治療法やパターンも沢山あるのですが、悪いことをしなければ痛みは普通に生活していれば収まる事が多くあります。
逆に自己流、ネットで調べた腰痛ストレッチで悪化させたりすることだけ防げば大丈夫かもしれません。
痛みは意外に複雑で、ストレッチして楽になっても実は症状を悪化させている事があります。
このパターンで症状を慢性化させてしまった方を沢山みてきました。
症状を医学的に診断している私たちでも処方する運動やエクササイズには個人差があり、悪化させないように細心の注意を払います。
まさに『生兵法は怪我のもと』で中途半端な知識は無い方がマシだったりするのです。
ここではぎっくり腰は『カラダに何だかの負荷がかかり解剖学的に何かが故障したことで起こる痛み』
とだけ覚えておいてください。
必要以上に何かを知る必要はまだありません。
診断を急ぐ必要も無いでしょう。後でも書きますがほとんどの痛みは2週間程度で落ち着くからです。
最も大切なことは『落ち着くこと』。
痛いので『藁にもすがる思い』は良くわかりますが、ほとんどの痛みは消えます。
一生続く痛みは意外に少ないものです。
簡単な症状であれば炎症のピークは72時間後くらいに来るので、立ち上がれないぎっくり腰の痛みでも2−3日あれば楽になっていることも多いです。
これは痛みの強弱ではありません。
出産の時は10点満点で120点くらい痛かった経験をした方が、2日後には激痛が治って普通に生活されていることを考えてみてください。
痛みの強さと治る時間の因果関係はまだ心配する必要はありません。
2週間あればかなり痛みが落ち着くことが多いです。
焦らず、少し時間がたてば良くなると思ってどっしり構えてください。
帯同してたオリンピックだったらどうするの?
普通に生活してください。と言ってしまいましたが、プロが診療すれば素早く痛みは楽になります。
短期的も長期的な回復も早いでしょう。また診断が確定できるので本人の理解も深まり、より短期間で改善に向かうでしょう。
私の実家は4代続く整体院。自分の腕で治療することに命をかけその昔は『痛みを早く楽にする』と奮闘していましたので、できるだけ早く診療して、腕の見せ所くらいに考えていました。
アメリカにカイロプラクティックを学びに渡米したのも手を使って行う治療(手技治療)を極めたかったからで。
日本で4代続く整体を学んで、アメリカのカイロプラクティックを組み合わせて、究極の整体で世界一を極めるくらいに考えて渡米しました。
日本とアメリカの整体を極める位の意気込みでした。
2021年の東京五輪でアメリカチームに帯同させて頂いたのもそんな技術を買われてです。
急性の痛みがオリンピックの大会中だったらどうするか?
それはそれは全力あの手この手で痛みを抑えて、できる限り試合に出られる状態を作ろうとします。
アスリートはその瞬間に人生をかけている人たちですから。
現場で痛みをとる治療はそれなりの自信を持ってます。オリンピックまで行ったくらいですから(笑)。
しかし一般人の場合はどうでしょうか?
1日、2日早く動けることにどれだけの価値を置くかですね。
また、簡単なマッサージ、ストレッチで悪化させた患者様を嫌と言うほど見てきました。
マッサージとか整体、カイロプラクティック、針、何でも『悪くはならないだろう』と思う気持ちはわかりますが、これは間違いで、
痛みがある時は症状が簡単に悪化します。
実は通院できない方に伝えたいメッセージはこれで。
急性腰痛を悪化させるのは簡単です。何もしなければそのリスクを格段に下げられるのです。
2週間ほっといて楽になるのなら、待てる方が多いのではないでしょうか?
一般の方にとって本当に大切なのは2日後ではなく20年後の健康なのです。
繰り返し腰痛を起こす。趣味のゴルフができない。運動ができない。旅行に行けない。
子供の抱っこが怖い。荷物を持てない。
こんな状態が一生続くことは極めて悲惨な状態ですが、実際クリニックにやってくる腰痛の方はこんな症状をお持ちです。
生活ができても『昔のようにスポーツができない』も良くある症状です。
これを復活させるには長期的な原因である機能運動性の改善が絶対に必要です。
私が一般の方を診療で大切にしているのは、早い痛みの軽減ではなく長期的な健康なんです。
そして最後にぎっくり腰の最も恐ろしいポイントは今の痛みではなく、再発率が恐ろしく高いことなんです。
本当の戦いははじめの痛みが無くなってからなのです。
腰痛の恐ろしさは実は急性の痛みではありません。
再発率の高さです。
そしてこれは長期的なカラダの機能運動性の低下の証拠なのです。
1回腰痛を起こすと再発率は50%、2回起こすと75%。
これは大変な再発率です。悲惨です。
オリンピックレベルの選手も腰痛になりますが、一般人の様に動けなくなる一過性の腰痛は少ないです。
カラダの機能運動性が高いので、多少痛めても動くことはできる事がほとんどなのです。
医学的な診断名は『椎間板ヘルニア』『腰痛分離症』『筋肉損傷』『靭帯損傷』などなどですが、
問題はこれらが日々の生活の動作、特に変わったことをしていないのに起こされることなのです。
つまり、日常生活で重力に対してカラダを十分に支えられなくなってしまっている
機能運動性の低さこそが原因なので、これを高める事が唯一の解決策なのです。
ぎっくり腰 まとめ、ニューヨーク的な考え
まとめ
1、ぎっくり腰とは急性の腰痛
2、医学的な診断名ではないので、急に腰や背中が痛くなる症状。
3、ぎっくり腰の英語名は “Acute Back Pain”
3、医学的には様々な診断がつく。靭帯、筋肉、椎間板、骨、関節、神経などの損傷など原因は様々。
4、ポイントは焦らないこと。
5、根本的に解決できる機能運動性を高めること。
6、ストレッチ、治療、整体、カイロ、何でもぎっくり腰を悪化させるリスクがある。
長期的に機能運動性を改善したい方は拙著からはじめてみてください。
素晴らし内容です(笑)
それでは皆様お元気で!!
Dr. Hiro Nakano
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